秋祭りでの38年ぶりの獅子舞奉納に向け稽古に励む森本会長(左端)らメンバー=吉野川市鴨島町牛島

 吉野川市鴨島町牛島の住民らが、牛島八幡神社の秋祭りで約150年の歴史がある獅子舞奉納を38年ぶりに復活させようと、稽古に励んでいる。経験のあった男性が、担い手不足で休止したままとなっている伝統を絶やすまいと、3年前に保存会を結成。熱心に指導に当たっていたが、4月に87歳で亡くなった。住民たちは遺志を継ぎ、「復活の舞」を目指している。

 同神社の秋祭りでは、1840年ごろから無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願って獅子舞が奉納されていたが、住民の高齢化などによる担い手不足で1978年を最後に途絶えた。

 地元住民として長年携わっていた工藤郁夫さんが、経験者の森本俊彦さん(72)=同市鴨島町牛島=に声を掛け、知人らを誘って60~80代の男女6人で2013年に保存会を結成。工藤さんの記憶を頼りに和太鼓や拍子木のリズムを紙に書き出し、稽古で何度も確認した。

 奉納には獅子舞と太鼓、拍子木で10人が必要。昨冬に工藤さんの次男克彦さん(53)=会社員、徳島市住吉1=と30代の男性3人が加わって人数がそろった。

 今年2月には地区の文化祭で披露できるまでに上達した。10月の秋祭りでの奉納に手応えを感じていたが、工藤さんが4月、自宅で突然倒れて亡くなった。

 会長を務める森本さんら会員は遺志を継ごうと決意し、四十九日法要後の6月3日から稽古を再開した。30代の男性1人が加わって再び10人となり、工藤さんの自宅倉庫で週1回、動きに磨きを掛けている。

 獅子を担当する克彦さんは「秋祭りを誰よりも楽しみにしていた天国の父に恥ずかしくない舞を見せる」。森本会長は「工藤さんが厳しく教えてくれたおかげでしっかり稽古が積める。秋までに仕上げたい」と意気込んでいる。