スポーツによる歯のけがや予防について語る安達さん=徳島市の新聞放送会館

 第10回とくしまスポーツ懇話会(徳島県、徳島新聞社主催)が27日、徳島市の新聞放送会館で開かれ、歯学博士でスポーツデンティストの安達聡さん(56)=北島町高房=が「スポーツ選手への歯科医学サポート」と題して講演した。

 約50人を前に安達さんは、学校での歯や顎のけがについて「小学校では転倒が一番多く、高校生になるとサッカー、野球、バレーボールといった球技の割合が高くなる」と指摘した。

 スポーツによるけがの事例や治療例を、スライド写真を使って紹介しながら「歯が折れたり抜けたりした場合は、救急保存液に入れるのがいい。なければペットボトルの水か牛乳で処置してほしい」とアドバイスした。

 けがの予防策にも触れ、「マウスガードは歯や口内を保護する。接触で相手にけがをさせないためにも着用が重要」と有用性を強調した。マウスガードを着けて筋力が上がることはないものの、「下顎が固定されることで競技に集中でき、筋力を円滑に発揮できる」と説明した。

 スポーツ現場で歯について適切に指導できるスポーツデンティストは県内に安達さんら3人だけ。安達さんは「歯とスポーツのパフォーマンスについて知ってほしい」とPRした。