国体に向けて強化プランを考える羽地さん=徳島市の県サッカー協会事務局

 J2徳島ヴォルティスの元選手の羽地登志晃さん(40)が、徳島県のサッカー少年男子代表チーム監督として29日に開幕する福井国体に挑む。現役引退後は長く、ヴォルティスの中高生世代を育成してきたことから「経験を選手強化につなげ、勝利に導きたい」と上位進出へ意気込む。
 
 国体少年男子チームはヴォルティスユースを主体に徳島市立高などの選手で編成。羽地さんは今夏、クラブから県サッカー協会に出向し、テクニカルアドバイザーとして国体選手の強化を担ってきた。

 強化の基本方針として「育成段階は選手としてのゴールではない。選考に受かる子も外れる子もいるが、個性が違う中で可能性を信じ、力を伸ばしてあげることが大事」と強調。選手自身の向上心を引き出すことを重視している。

 現場では特に選手のメンタル面を支える。「舞台が大きくなればなるほど自分の力を出せるかどうかが大事になる。重圧を力に変える働き掛けをしていきたい」と言う。

 その成果もあり、国体少年男子チームは、16日のテストマッチで兵庫県選抜に快勝するなど状態は良い。羽地さんは「県代表らしい試合をして勝ち進み、天皇杯の順位向上に貢献する」と意欲十分だ。

 はじ・としあき 堺市出身のFW。C大阪を振り出しに柏を経て徳島で通算5年近くプレーし、2010年を最後に引退。翌年から徳島ヴォルティスのスクールコーチなど育成の道を歩み、15年にユース監督に就任した。17年はトップチームに2種登録されたFW藤原志やDF久米を擁し、プリンスリーグ四国で2度目の優勝を果たした。