三好市は、市奨学金の受給者が高校や大学などを卒業後に市内に住めば、返済を免除する制度を大幅に拡充する。Uターンや定住を促すのが目的で、返済期間を通して暮らせば全額免除となる。

 今年4月以降の返済が対象で、受給者が市内に居住しているかどうかを毎年確認し、住んでいれば同年分の返済を免除する。返済期間は、猶予期間の1年を含めて11年。市外に転出すれば残額を返済する必要がある。

 従来は、高校で受給した人を除いて、卒業後の定住期間(5~10年)に合わせ、貸与額の5~10%を免除していた。高校で受給した人も対象に加え、免除額を拡充する。

 このほか、奨学金の貸与額を変更する。高校(従来は月額1万2千円)は6千円と2万4千円、高専(2万1千円)は1万円と3万円、大学・短大・専門学校(4万4千円)は2万2千円と6万4千円をそれぞれ加え、経済状況に合わせて3段階から選べるようにする。いずれも無利子。

 市は関連条例の改正案を、開会中の市議会6月定例会議に提案した。松丸忠仁教育次長は「勉学意欲のある若者を応援したい。制度を活用し、古里で活躍してもらえれば」と話している。

 県内では、板野、神山、那賀の3町が2016年度、卒業後の定住を条件とした奨学金の返済免除制度を導入している。