ドローンの赤外線カメラが空撮した映像を見つめる参加者=上板町泉谷の県立農林水産総合技術支援センター畜産研究課

ドローンの赤外線カメラが空撮した映像を見つめる参加者=上板町泉谷の県立農林水産総合技術支援センター畜産研究課

 県立農林水産総合技術支援センターと徳島大は20日夜、小型無人機ドローンに赤外線カメラを載せて上空から有害鳥獣を捜す実証試験を、上板町泉谷の同センター畜産研究課で初めて行った。対象物を見つけ出すことに成功し、今後、県北部のレンコン畑で夜間に相次ぐカモの食害対策への活用を目指す。

 試験は、対象物の温度を感知して識別する赤外線カメラを載せたドローンを地上35~60メートルの高さまで飛ばし、研究課で飼育する牛やニワトリを空撮した。暗闇の中、牛4頭とニワトリ2羽のほか、会場に集まった約30人、敷地内に入ったネコもモニターに映し出された。

 鳥獣を見つけ出す技術にめどが立ったことから、県と徳島大は鳥獣を追い払う役割をするドローンの開発を共同で進めることにしており、本年度中に2種類のドローンを使ってレンコン畑で試験を行う考え。

 夜間にドローンを飛ばすには国の承認が必要。県によると、実用化に向けては、高度な技術を持つ操縦者の確保や、実験機で約220万円する機材の低コスト化といった課題もある。