早急に綱紀粛正を図り、緩んだ組織を立て直さなければならない。

 文部科学省の戸谷一夫事務次官が、一連の贈収賄事件の責任を取って辞任した。戸谷氏自身も飲食接待を受けたなどとして、高橋道和初等中等教育局長らと共に、減給の懲戒処分を受けた。

 文科省では昨年、組織的な天下り問題で前任次官だった前川喜平氏が引責辞任している。事務方トップが2代続けて辞任に追い込まれるのは、異常事態である。こうも不祥事が続くのは、構造的な問題があるからではないのか。原因を徹底究明し、再発防止策を講じる必要がある。

 言うまでもなく、教育行政を担う文科省は、小中高校や大学に助言や指導を行う立場にある。それが、こんなありさまでは、教育現場に示しがつかない。教育面からも心配である。

 戸谷氏は文部科学審議官だった2015年10月、贈賄側の業者から国会議員との会合に誘われて、会食。銀座のクラブでの飲食代やタクシー代など計6万円以上の接待を受けたとされる。

 戸谷氏は「政治家やその関係者との会合は許されるのではとの甘い認識があった」と話した。

 どんな理由であれ、業者から不適切な接待を受けることは言語道断である。政治家との会合なら接待を受けてもよいという風潮が、文科省の幹部にあるとしたら、由々しき問題だ。モラルが厳しく問われよう。

 今年7月に発覚した贈収賄事件では、私大支援事業の選定で便宜を図る見返りに、息子を東京医大に合格させてもらったとして、佐野太前科学技術・学術政策局長が、受託収賄罪で起訴された。

 川端和明前国際統括官も、大学側と佐野被告を仲介した業者から飲食接待を受けたとして収賄罪で起訴された。

 川端被告が、戸谷氏らを飲食接待に誘うなどの役割を果たしていたようだ。

 事件を受けて、有識者によるチームが全職員を対象に、贈賄側の業者ら外部から飲食接待や金銭の贈与を受けたことがあるかを調査。第1次報告では、9人が飲食接待などに応じたと申告し、戸谷氏ら4人が処分された。

 省内では、若手を中心に150人を超える職員が参加して文科省の在り方を議論する「未来検討タスクフォース」を立ち上げている。年内の改革案の取りまとめを目指すという。

 意識改革を進めることが、組織再生への道である。自浄能力を発揮してもらいたい。

 文科省は昨年、組織的な天下りあっせん問題に関係したとして、事務次官経験者を含む計43人を処分した。

 失墜した信頼を取り戻すのは容易ではないが、不祥事によって文科行政を停滞させることは許されない。

 文科省は不祥事を生む土壌を一掃し、襟を正さなければならない。