今夏の徳島市の阿波踊りを検証するため、市などでつくる「阿波おどり実行委員会」が設けた有識者会議の初会合が28日、市役所であった。運営体制や収支、人出の集計方法などについて、よさこい祭り(高知)など他県の有名な祭りの運営方法を参考に議論を進め、在り方を探ることを確認した。
委員6人が出席。委員長に弁護士の豊永寛二氏を選んだ。
事務局が、今夏の踊りの人出やチケット販売の状況について説明。今後の検討項目として▽チケット販売の在り方▽踊り事業に関する契約の在り方▽人出の推計方法▽運営体制の在り方▽踊りの演出方法―を挙げた。
豊永委員長は「赤字解消だけを目的にするのではなく、透明性や客観性があって市民の理解が得られれば必ずしも黒字にする必要はないかもしれない。そういうことも含めて議論を進めてはどうか」と提案。よさこい祭りやねぶた祭り(青森)など、各地の祭りの収支や人出の推計方法などの資料を研究しながら議論を進めることにした。
委員からは「いかに踊りを発展させるかという視点がなかった。人に来てもらうためにどういった体制が必要なのか調べる必要がある」「人出の推計は客観的で根拠のある数字を出すべきだ」などの意見が出た。
会議は今後数回開く予定で、年内に阿波おどり実行委に提言書を提出する。