徳島県産農林水産物(加工品を含む)の2015年度輸出額は6億1千万円と14年度を2億2千万円上回り、過去最高を更新したことが、県や経済団体などでつくる「とくしま農林水産物等輸出促進ネットワーク」のまとめで分かった。海外でのPR活動によって県産品の人気が高まったことが主な要因としている。
15年度の輸出国は13カ国。イスラム教の戒律に沿ったハラル商品の人気が高まったマレーシア、ミラノ万博を契機に販路開拓したイタリア、オランダの3カ国が新たに増えた。
品目はシンビジウムとシイタケ、こんにゃくの3品が加わって計21品になった。
ネットワークは海外の大型百貨店などで商談会やPRフェアを14年度の2倍に当たる20回開き、試食のほか生産者が消費者に直接商品の魅力を紹介することで人気が徐々に定着したとみている。
特に台湾やシンガポールなどでなると金時の評価が高く、輸出量は106トンと14年度の89トンから増加。ヒノキや青果物、水産加工品も韓国や東南アジアを中心に好調だった。
ネットワークはEU圏でのスダチ、ユズ、ユコウなどの販路を拡大するため、19日から県職員や生産者らでつくる「遣欧柑橘使節団」をドイツなど3カ国に派遣し、現地のバイヤーに県産品を売り込んでいる。
ネットワークによると、県産品の輸出額は12年度1億2千万円、13年度2億4千万円、14年度3億9千万円と右肩上がりで拡大。県は16年度7億2千万円、18年度11億円を目標額に掲げており「既存のルートを強化するとともに新たな市場も積極的に開拓していきたい」(もうかるブランド推進課)としている。