手や足に褐色のできもの

 【質問】20代の女性です。手や足に褐色で直径3ミリほどのできものがいくつもできて悩んでいます。痛みやかゆみはないものの、首筋などにも広がり、数も増えたようで気になります。早く治療しないと、他の人にうつるのでしょうか。原因や治療法を教えてください。

 福本ヒフ科(徳島市かちどき橋)
 福本大輔院長

 冷凍凝固や焼灼で治癒も

 【答え】手や足のできものは、ウイルス性疣贅(ゆうぜい)と考えられます。いわゆるイボといわれるものです。直接の接触、あるいは器具を介して感染する疾患です。

 ウイルス性疣贅は、ヒト乳頭腫ウイルスが皮膚に感染することで発症します。ウイルスのタイプによって尋常性疣贅、扁平(へんぺい)疣贅などさまざまな病型があります。

 ウイルスは微細な傷から侵入して皮膚に感染します。若年者の手や足に発症する例が多く、イボが少しずつ大きくなり、数も増えていきます。また自然治癒する場合もあります。

 治療法は、冷凍凝固が一般的です。液体窒素で患部を急速に冷やし、患部を壊死(えし)させます。1、2週間ごとに処置を続け、数回でイボが消えることもあれば、治癒までに数年かかるケースもあります。

 イボを焼く焼灼(しょうしゃく)やサリチル酸製剤の貼付、ヨクイニン(漢方薬の一種でハトムギ種子抽出物)も保険が適用されている治療法です。

 ヨクイニンはイボ治療薬としてインターネットや新聞広告などでよく見かけますが、ウイルスにどのように作用するかは分かっていません。難治性のウイルス性疣贅にヨクイニンを併用して改善する例はあるものの、有効な症例はごく一部で、使用するケースは限られています。

 ウイルスは微細な傷から侵入して感染するため、予防にはスキンケアが大切です。手足が乾燥してガサガサになっていると、そこからウイルスが侵入しやすくなります。冬は乾燥しやすく、保湿剤などを使って適切にスキンケアをしましょう。

 ウイルス性疣贅の他に、イボと称される代表的な疾患は脂漏性角化症があります。老人性疣贅とも呼ばれ、高齢者の顔や頭など露光部に発生しやすい良性腫瘍です。ウイルス性疣贅とは全く別の疾患です。

 「老人性」と形容されますが、30歳前後でも首や脇などに生じるケースがあります。相談者の首筋にできたイボは、手や足とは別の脂漏性角化症かもしれません。

 治療には冷凍凝固や焼灼、外科的切除などが用いられます。先ほど触れたヨクイニンは効果がありませんのでご注意ください。

 なお、ウイルス性疣贅と症状が似ている鶏眼(けいがん)(俗称ウオノメ)は、圧迫などの物理的な刺激で生じる別の疾患です。

 ウイルス性疣贅は、一部に治療困難な症例もありますが、治すことができる疾患です。過剰に心配する必要はなく、皮膚科で適切な診断と治療を受けてください。