海部高校(海陽町)は10月から、インターネットを使った英会話講座を県内の高校で初めて導入する。フィリピン人講師からマンツーマンでレッスンを受け、生徒の英語力向上を目指す。2020年度から始まる「大学入学共通テスト」の英語で採用される民間検定試験を見据えた取り組み。講座は来年2月までで、効果があれば新年度も継続する。
講座は、パソコンにマイクとカメラを設置したインターネット電話「スカイプ」でフィリピンと接続。ベネッセコーポレーション(岡山市)と契約しているフィリピン在住の講師から英会話を学ぶ。
3日から1、2年生の希望者46人が学年別に週1回程度、校内のパソコン教室で放課後に受講する。パソコンは1人1台用意し、生徒と同じ人数の講師が指導に当たる。
現在の1年生から対象となる大学入学共通テストの英語は、マークシート式の試験に加え、英会話力などを測る民間検定試験の成績が加点される。講座は検定試験に対応するのが目的で、講師は毎回異なる文法を使って質問するなどして生徒の英会話力を伸ばす。
パソコン機材の購入など関連経費は約200万円。県教委の「ふるさと創生拠点ハイスクール推進事業費」を活用した。
7、9月にネット接続実験があり、生徒は外国人講師に自己紹介をしたり、趣味や得意なスポーツについて質問したりした。
1年の藤村海妥さん(15)は「外国人と長時間話す機会はあまりないのでうれしい。講座をきっかけに、海外の人と気軽に会話できるようになりたい」と話した。
県教委教育創生課は「海部高校をモデルにして、成果があれば他校での導入も検討したい」としている。