相次ぐ還付金詐欺の被害を防ごうと、徳島西署が独自のチラシとかぼちゃ型のクッキーをセットにした啓発グッズを400部作り、26日から管内の高齢者に配り始めた。署には6月に入って還付金名目の特殊詐欺に関する相談が数多く寄せられており、電話でのうまい話には乗らないよう呼び掛けている。
チラシはA4判で、絵が得意な地域課の小泉和寛巡査長(36)が作った。現金自動預払機(ATM)の前で携帯電話を持った高齢者が、背後からかぼちゃのお化けに狙われているイラストを描いている。
上部には「その電話カンプ金詐欺!」の文字を配し、還付金とかぼちゃ(パンプキン)を掛けることで、見た人の印象に残るよう工夫した。チラシを配るだけでは今までの活動と変わらないとして、クッキーの配布も提案し、採用された。クッキーは署の近くの岡山製菓(徳島市庄町4)に作ってもらった。
署によると、役所の職員を名乗って「還付金がある」と誘ってくる不審な電話がかかってきたとの相談が、今月に入って8件あった。これとは別に被害届も3件あり、西署管内だけで今月の還付金詐欺の被害額は計約887万円に上っている。
26日には署員や防犯ボランティアら約40人が手分けし、加茂名地区の高齢者宅約50世帯にチラシとクッキーを配り歩きながら「還付金詐欺の不審電話に注意してください」と呼び掛けた。
受け取った谷崎君恵さん(91)=同市鮎喰町1=は「おいしい話には乗らないように気を付けたい」と話していた。