布小物作家三木恵美子さん(68)=徳島市南沖洲1=が、1945年7月の徳島大空襲を描いたタペストリー4点を作った。街のあちこちから火の手が上がる様子を、着物の端切れなどで表現。同市福島1の市立木工会館で展示し、平和の尊さを訴えている。7月10日まで。入場無料。
作品はいずれも縦143センチ、横52センチ。焼け野原になった二軒屋駅周辺の様子、眉山から見下ろした燃える街の光景を、端切れなどを用いて押し絵や切り絵で表した。
以前、同館で三木さんが作品展を開いた縁で、同館が空襲をテーマにした作品の制作を依頼。三木さんは空襲体験者の浜松利昭さん(83)=同市城南町2=が作った紙芝居や、水墨画家稲飯直さん(87)=石井町石井=が板西農蚕学校(現板野高校)近くの寄宿舎から見た空襲を表現した作品を参考にした。浜松さんからは体験の聞き取りもした。
制作を通して空襲のことを詳しく知ったという三木さんは「平和の尊さを再確認した。私たちの街が焼け尽くされたという事実を知ってほしい」と話している。
期間中は併せて「徳島関係戦争資料展」(市地場産業振興協会主催)も開かれ、出征する兵士を見送るために作られたのぼり、占領していたフィリピンなどの南方諸国を巡るすごろくなど約50点が展示されている。問い合わせは協会<電088(626)2453>。