徳島県内の公立小中学校全261校のうち、小松島、吉野川両市と石井町の25校で、校舎や体育館の天井、壁など非構造部材の耐震対策が取られていないことが30日、県教委のまとめで分かった。4月1日時点の調査。落下防止対策を講じていないつり天井も阿南市など5市町にあった。熊本地震では、建物自体の耐震化を終えた体育館の天井が落ちて避難所として使えなかった例もあり、非構造部材の対策が急がれる。

 耐震対策できていない非構造部材があるのは、小松島市12校、吉野川市9校、石井町4校。県平均の対策実施率は90・4%(前年同期88・3%)に上るが、小松島市は7・7%、吉野川市50%、石井町では42・9%にとどまっている。財政難などが理由とみられる。

 対策できていないつり天井は、阿南、三好、勝浦、北島、つるぎの5市町に各1棟ある。文部科学省は、2015年度末までに対策を終えるよう求めていた。

 一方、校舎や体育館の建物自体の耐震化率は99・1%で、前年同期比1・4ポイント上昇。1035棟あるが、鳴門、阿南、三好3市の9棟(前年同期24棟)で対策が終わっていない。このうち震度6強以上で倒壊する危険性が高いのは、鳴門、阿南両市の4棟(7棟)だった。

 小中学校以外の建物の耐震化率は、幼稚園93・4%(88・7%)、高校95・9%(88・4%)。特別支援学校は14年に100%に達している。

 非構造部材の耐震対策実施率は、幼稚園91・1%(90・1%)、高校97・1%(100%)、特別支援学校90・9%(90・9%)。

 県教委は「市町村と共に対策を加速させたい」としている。