大型野鳥の餌場の確保策などについて協議するパネリスト=徳島市のふれあい健康館

大型野鳥の餌場の確保策などについて協議するパネリスト=徳島市のふれあい健康館

 コウノトリやナベヅルなど希少な大型野鳥の飛来が徳島県内で増えていることを受け、生息地や餌場となる田んぼの生物を増やす取り組みについて考える「コウノトリ・ナベヅル徳島フォーラム」(実行委主催)が2日、徳島市のふれあい健康館であった。

 日本野鳥の会県支部の三宅武支部長や日本ツル・コウノトリネットワークの金井裕会長ら8人がパネル討論。コウノトリが居着いている鳴門市大麻町で、休耕田を活用し餌場を確保している取り組みを評価する声が相次いだ。

 日本雁を保護する会の呉地正行会長は講演で、収穫後の田んぼに水を張ることで、大型野鳥の餌となるドジョウやカエルが増え、生物多様性が高まると指摘した。

 県内では2013~16年にコウノトリ18羽が兵庫県豊岡市などから飛来。15年5月から鳴門市大麻町で巣作りし、豊岡市以外で初めて定着した。ナベヅルは1980年に県内で初めて確認され、15年秋~16年春は230羽が飛来し、過去最多の67羽が越冬した。

 フォーラムには約160人が参加した。