徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 感染性胃腸炎の原因ウィルスにはノロウィルスやロタウィルスなどがあります。ロタウィルスにはワクチンがあり、多くの子どもがワクチンを受けるようになってロタウィルス胃腸炎は減少しています。これに対してノロウィルス胃腸炎は増加しています。

 昨年11月から12月に全国的なノロウィルス胃腸炎の大流行が見られました。ノロウィルスに直接作用する有効な薬剤はありません。予防接種もありません。ノロウィルス胃腸炎は本来軽症に終わる疾患ですが、乳幼児では重篤な合併症を起こす場合があります。

 感染性胃腸炎の症状は主として悪心や嘔吐です。食欲が低下して適切な水分や栄養の補給が出来なくなります。高熱や激しい下痢を伴って脱水症を起こすこともあります。皮膚の張り、口腔粘膜の乾燥、排尿の減少、意識状態などを観察して脱水症の有無を判断します。嘔吐が少なければ経口補液を与えながら整腸薬を投与します。水分摂取が全く出来ない場合には輸液が必要となります。

 感染性胃腸炎にはけいれん、脳症、腎症、腸重積症などの合併症が見られることがあります。とくにけいれんはロタウィルスに伴うけいれん同様、無熱性けいれんで群発する傾向があります。けいれんが重症化する時には脳症に準じた治療が必要となります。

 ノロウィルス胃腸炎は家庭や保育所、学校などで集団発生する可能性が高いものです。患者の居た場所、触った器物、患者の調理した食品、患者や介護者の手指はウィルスで汚染されています。トイレの後の手洗い、調理前の手洗い、食事前の手洗いを徹底することで多くのノロウィルスを予防できます。