フットサルを通じて交流する精神障害者ら=徳島市川内町の四国大しらさぎ球技場

 統合失調症やうつ病の患者らにフットサルに参加してもらい、回復を促す取り組みが徳島県内で行われている。参加者からは「人とコミュニケーションを取ることが苦でなくなった」などと好評だ。チームをつくり全国大会に出場するなど、活動は活発化している。

 取り組みが始まったのは2013年。日本精神科病院協会県支部が中心となってフットサル交流会を企画し、患者らに参加を呼び掛けた。同年4月から月1回、徳島ヴォルティスのコーチを招いて練習している。現在は約30人の精神障害者が参加する。

 徳島市川内町の四国大しらさぎ球技場で行われた今年6月の練習には、同大の女子サッカークラブ・イーグレッツや看護学部の学生も加わり、約60人が体を動かした。

 交流会に参加している精神障害者のうち20人ほどは14年夏、県精神保健福祉協会の呼び掛けで「徳魂(とくだま)」と名付けたチームを結成し、各種大会に出向いている。15年には高知、愛媛両県の患者と合同チームをつくり、全国大会に出場。16年4月には四国の他の3県のチームと共に四国リーグを発足させた。

 統合失調症患者で、2年ほど前から交流会に参加している会社員男性(37)=松茂町=は「フットサルを始めて、性格が明るくなったように思う」と笑顔を見せる。

 就職後すぐの23歳の時に体調を崩し、同じ障害者支援施設に通う仲間に誘われ、フットサルを始めた。未経験だったが「普段の生活では味わえない『非日常感』」に魅了され、今は交流会が生きがいの一つになっている。

 このほか、交流会を機にフットサルが気に入り、徳魂のメンバーになった男性や、コミュニケーションがうまく取れるようになって就職が決まった女性もいる。

 フットサルを精神障害の回復に活用する日本ソーシャルフットボール協会の地域推進委員織田靖史さん(39)=高知市、作業療法士=は「患者が社会参加していると実感することに意義がある。コミュニケーションを図るスキルを身に付けることが期待できる」と話す。