徳島県庁で大規模な試験業務を進める消費者庁は5日午前、徳島滞在中の担当課長がテレビ会議システムを使って東京の会議に参加する試験を行った。音声や映像に大きな乱れはなく、会議は終始スムーズに行われた。
会議は消費者庁主催の「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」で、霞が関の同庁庁議室に委員14人が出席して開かれた。テレビ会議システムで結んだ県庁10階の会議室からは、消費者制度課の加納克利課長が参加した。
県庁会議室には、加納課長を捉えるカメラや東京会場の様子を映し出すテレビモニターを設置。加納課長は冒頭、「徳島から参加しており、音声の途切れなどがあれば教えてください」と委員らに呼び掛けた。
加納課長がこれまでの会合で出された意見の概要を説明し、委員らも発言。徳島、東京会場とも相手側の音声を聞き取ることに支障はなく、映像にも乱れはなかった。途中、委員の質問に加納課長が無言で手を挙げて発言を求め、座長の指名を受けて回答する場面もあった。
加納課長は検討会終了後、「音声や画像に支障はなかったが、委員の発言内容を量りかねるなど、やりにくさも感じた。工夫の余地はある」と話した。
検討会は、公益通報者保護制度の課題や論点を整理する目的で昨年6月に設置され、協議を重ねている。
5日午後には板東久美子長官が徳島入りし、飯泉嘉門知事と面会する。