EU圏へ輸出するため登録したハッサクの園地で手入れする前田さん=美馬市穴吹町

 徳島県産ハッサクが今冬、初めてフランスへ出荷される。日持ちがして輸送しやすいことに加え、酸味が現地の人に受け入れられると見込まれるため、県内産地の美馬市の生産者が準備を進めている。ハッサクの本格的な輸出は全国でも例がない。

 県輸出六次化推進室によると、計画しているのは美馬市穴吹町の3農家。輸出用のハッサク園地(18アール)で検疫対象病害虫などが発生していないことを証明する国への登録を3月に行った。欧州連合(EU)への輸出に不可欠な園地登録を済ませたことで今季の出荷が可能となった。

 計画では、農家が12月に収穫し、JA美馬が年末から年明けにかけて空輸でフランスの卸売市場に出荷する。フランスを選んだのはユズの輸出実績があり、現地のバイヤーがハッサクにも関心を示しているためだ。

 3農家のうちの1人、前田進一さん(64)は「ハッサクはEUで希少価値が高いと聞いている。期待しながら準備を進めていきたい」と語る。
 県農林水産総合技術支援センターなどによると、ハッサクは酸味の強さや皮のむきにくさ、食べ
 やすい新品種の開発で人気が低迷している。ただ皮が厚いため傷つきにくく、スダチやユズに比べ長距離輸送に適している。

 ジェトロ徳島も新たな輸出品目として注目しており、16年度から3年計画でハッサクの輸出に必要な情報提供や戦略策定、見本市への参加を支援する。

 県輸出六次化推進室の山本祐次室長は「EUでは酸味や香りの強いかんきつ類の人気が高い。好まれる地域に輸出して産地の活性化につなげたい」と話している。