今年のノーベル医学生理学賞が、体内で異物を攻撃する免疫反応にブレーキをかけるタンパク質を発見した本庶佑・京都大特別教授と、米テキサス大のジェームズ・アリソン教授に贈られることが決まった。

 日本発の研究成果が最高の栄誉に輝く。ノーベル賞の受賞は2年ぶりで26人目になる。長崎県出身の英国人作家カズオ・イシグロ氏を含めると、日本出身者は27人。医学生理学賞は一昨年の大隅良典・東京工業大栄誉教授以来の快挙である。

 授賞理由は「免疫反応のブレーキを解除することによるがん治療法の発見」だが、この本庶さんの発見が、さまざまな臓器のがんに効果が認められた治療薬「オプジーボ」として実用化されたと聞けば、その功績の大きさが分かるだろう。

 大学時代に同級生を胃がんで失ったことをきっかけに取り組んだ道を究めた形だ。日本の生命科学の実力を世界に改めて示したともいえよう。

 免疫の力を強め、がんと闘う「がん免疫療法」の時代を切り開き、がん患者に希望を与えるものとなった。がん対策に取り組む厚生労働省や患者団体から「新しいがん治療の分野を切り開いた日本人が受賞したのは、本当に喜ばしいことだ」と称賛する声が上がっている。ともに心から拍手を送りたい。

 本庶さんは「重い病気から回復し『元気になったのは、あなたのおかげ』と言われることがあると、本当に研究としては意味があったと思う」と述べた。多くの人を救う、免疫療法の研究が進むことを期待したい。