沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対を掲げる前衆院議員の玉城デニー氏が当選した。急逝した翁長雄志前知事の遺志を継ぐ玉城氏が勝利したことで、政府が描く移設スケジュールの遅れは避けられまい。

 玉城氏は過去最多の39万6632票を得た。安倍政権が支援した前宜野湾市長の佐喜真淳氏に8万票の差をつけた。政府は沖縄の民意と向き合い、話し合いを進めるべきだ。

 日米両政府が普天間飛行場返還で合意した1996年以降、沖縄は翻弄され続けている。移設を巡っては2013年に当時の仲井真弘多知事が辺野古沿岸部の埋め立てを承認したが、翁長前知事が15年に取り消した。国と県の法廷闘争の末、16年に県の敗訴が確定し、国は昨年4月に護岸造成に着手した。土砂投入を阻止しようと、県は工事に違法行為があったなどの理由で承認を撤回。工事は法的な根拠を失い、中断している。

 国は、移設工事の再開を目指し、法的対抗措置に乗り出す構えだが、民意に逆行すれば混迷の度は深まるばかりだ。

 玉城、佐喜真の両氏は日米地位協定に関して改定の必要があるとした。米軍機によるトラブルや米兵の犯罪が後を絶たず、県民は不信感を募らせてきた。

 全国知事会は8月、沖縄など米軍基地を抱える自治体の負担を軽減するため、日米地位協定の抜本的見直しを求める提言書を外務省に手渡した。沖縄の実情を共有し、共に解決の道を探っていくことが大切だ。