徳島県内で6~9月に熱中症や、その疑いで搬送された人は580人だったことが、徳島新聞のまとめで分かった。前年同期の428人と比べて35・5%増えた。7、8月の猛暑が影響したとみられる。
県内13消防本部と3町村によると、症状別では死者1人、3週間以上の入院が必要な重症20人、3週間未満の中等症196人、入院を必要としない軽症324人、不明などが39人だった。
死亡したのは阿波市阿波町の40代男性。7月25日に建設現場で作業中に倒れ、搬送先の病院で亡くなった。那賀町の80代男性が7月13日に、同市吉野町の90代男性が8月6日に熱中症で死亡したが、病院に搬送されていないため消防の統計には含まれていない。
年齢別では65歳以上の高齢者が338人で約6割を占めた。成人(18~64歳)が167人、少年(7~17歳)が69人、乳幼児(7歳未満)が6人。地域別では徳島市消防局が最多の176人で、阿南市消防本部56人、徳島中央広域連合53人と続いた。月別では記録的猛暑が続いた7月が336人だった。
徳島地方気象台によると、6~9月の平均気温は徳島市26・1度(平年25・4度)、美波町25・5度(24・9度)など、7観測地点で平年を0・2~0・7度上回った。
搬送者の増加について気象台は「高気圧の勢力が強く、6月下旬から8月末まで気温の高い状況が続いた。最高気温も記録を更新する地点が多かったためだろう」としている。