国土交通省が11日発表した2015年全国1級河川水質調査で、前年まで3年続けて「水質が最も良好な河川」とされた徳島県の吉野川が、4年ぶりに選考から外れた。四国では仁淀川(高知県)が選ばれた。

 全国391河川の1095地点(県内は8河川の17地点)で生物化学的酸素要求量(BOD)または化学的酸素要求量(COD)を測定した。1リットル当たりの平均値が0・5ミリグラム以下の地点が2カ所以上あると水質が最も良好な河川に分類される。

 吉野川は、高瀬橋(石井町)と脇町潜水橋(美馬市)が0・6ミリグラム。昨年までの3年間は両地点とも0・5ミリグラム以下だった。

 吉野川の測定結果について、四国地方整備局は「数値の変動はわずかで水質が悪化したかどうかは判断が難しい。原因は水量、気温、日照、雑排水などさまざまなことが考えられる」と話している。

 県内では穴吹川の穴吹(美馬市)、貞光川の貞光(つるぎ町)、那賀川の那賀川橋(阿南市)が0・5ミリグラム以下だったが、いずれも調査地点が1カ所のため公表の対象になっていない。