徳島県は11日、徳島大、阿南高専と共同で海洋資源を活用した研究開発や、水産業を支える人材育成に取り組むマリンサイエンスゾーンを鳴門市と海部郡に設けると発表した。ゾーン内の研究・生産施設を拠点に3者の強みを生かし、後継者難や魚価低迷で衰退が懸念される水産業の振興を図る。

 鳴門市のマリンサイエンスゾーンは、県水産研究課鳴門庁舎と、4月に開設された同大生物資源産業学部の実験実習施設・水圏教育研究センターを拠点とする。海部郡では2016年度に改修を終えて機能強化される県水産研究課美波庁舎と県有種苗生産施設(海陽町)を活用する。

 徳島大は海藻の養殖や水産資源の増殖で知見があり、県はこれらを現場に普及させる応用技術を持つ。阿南高専はロボット製作など工業が強み。3者が得意分野を生かして連携を深め、水産業活性化と関連産業の振興を目指す。

 研究開発で想定しているテーマは▽海藻類の養殖・加工▽アワビやイセエビの増産と品質向上▽ドローンを活用した災害時の漁場被害調査-など。人材育成ではインターンシップによる研究者育成や漁業者、企業、研究者の交流に取り組む。

 ゾーンの開設に当たり、3者が15日に協定を結ぶ。飯泉嘉門知事は「マリンサイエンスゾーンを水産分野の知の拠点として発展させ、水産業の成長産業化を図っていきたい」と話した。

 農業分野では県と同大生物資源産業学部が4月、県立農業大学校跡地と県立農林水産総合技術支援センターの敷地計約24ヘクタールにアグリサイエンスゾーンを設け、共同研究に取り組んでいる。民間企業にも一部敷地を貸し出し、次世代型園芸施設の整備を進めている。