ヒオウギを使って生け花をする神領小児童=同校

 京都の祇園祭で縁起物として飾られるヒオウギ(アヤメ科)の神山町内の生産量が日本一であることを知ってもらおうと、同町とJA名西郡が町内の2小学校で、ヒオウギに関する教室を初めて開いた。生産者の高齢化を背景に、町内の生産量は最盛期の6分の1程度まで減っており、生産文化をつなぐため来年度以降も継続させる。

 神領小6年生19人と広野小5、6年生13人を対象に6月29日に開いた。神領小では、JA職員が初めにヒオウギを知っているか質問。19人全員が「知らない」と答えた。職員は、昨年度の町内の生産量が8万5千本に上り、日本一だったことを紹介した上で「神山の日本一はスダチだけじゃない」と力を込めた。

 華道家の兒玉知之さん(59)=広島市=が同席し、祇園祭でヒオウギが用いられるようになった理由を解説。疫病が流行していた850年ごろ、神聖な存在とされていたカラスと同じ黒の実をヒオウギが付けることや形が扇に似ていることから、縁起物や厄払いとして注目が集まったと説明した。

 この後、児童がヒオウギ5本ずつを使って生け花をした。

 JA名西郡によると、神山でヒオウギの生産が始まったのは1955年。ピーク時の90年代前半は70軒が栽培し、生産量は50万本に上り8千万円の売り上げを誇っていたが、現在栽培しているのは10軒で、売り上げは1千万円程度に落ち込んでいる。

 授業を受けた神領小6年の阿部ゆうみさん(11)は「町に意外な宝物があることに驚いた」と話した。