第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」第4日は2日、福井県内などで19競技が行われた。徳島県勢は8競技に出場し、台風24号の影響で日程変更になった弓道は、成年男子遠的が上位8チームに入り同率1位となった。県勢の団体優勝は2009年の新潟国体以来9年ぶり。成年女子近的は上位8組による決勝トーナメントに進んだ。
レスリング少年男子グレコローマンスタイル55キロ級の庄司秀(池田高)が5位入賞し、セーリングの成年男子470級の奈良充規(大塚倉庫)・中野弘之(徳島日産)組が8位入賞を果たした。馬術の成年女子馬場馬術の日高萌(徳島乗馬倶楽部)も8位入賞。ボウリング少年女子個人の森内菜摘(日本航空高)と小林茜(徳島商高)が8人で争う決勝に駒を進めた。第5日の3日は7競技に県勢が出場する。
【弓道 男子】異例の8チーム1位 中数で滑り込む
2001年の宮城国体以来、17年ぶり2度目の頂点に立った成年男子遠的の徳島。台風の影響で日程が短縮され、上位8チームがそろって優勝という異例の形ではあったが、選手らは「結果を残すことができて安心した」と満足げに話した。
当初は予選を2回実施し、上位8チームで決勝トーナメントが行われる予定だったが、予選1回の成績で順位を決める方法に変更された。「1本の重みを感じながら射た」と宮本(川島高教)が振り返るように徳島は3人が計12本を全て的に当て、得点は72点。福島と同点で並んだが、的中数で3本上回り、8位に滑り込んだ。
直前に行われた近的の予選では5チームで争う競射で敗れ、惜しくも8強入りを逃した。その悔しさを見事に晴らし、折原(阿波証券)は「監督やチーム関係者のおかげ」と感謝を口にした。
昨年の愛媛国体では県勢は成年、少年の男女とも出場を逃した。それだけに選手たちの今年に懸ける意気込みは強く、5月中旬から練習を始め「出場するからには結果を残す」と今大会に臨んだ。喜びをかみしめながらも田中主将(田中ボディー)は「連覇を狙いたい」と早くも来年の茨城国体に目を向けた。
【弓道 女子】気持ち切り替え
成年女子近的の徳島が8強入りし、3日の決勝トーナメントに駒を進めた。直前に行われた遠的で振るわなかった辻(四国大職)は「暗い気持ちを引きずっても仕方がない」と切り替え、近的では3中の活躍。国体初出場の脇(四国大)は「他の2人の足を引っ張らないよう頑張った」とほっとした表情だった。
前回8強入りした2015年の和歌山国体では惜しくも準優勝だった。当時のメンバーでもある増田主将(内町学童保育職)は「次こそ一番高い所を目指す」と力強く話した。
【レスリング】力出し切り納得
少年男子グレコローマンスタイル55キロ級で5位入賞を果たした庄司(池田高)は「うれしい。徳島に貢献できた」と笑顔で語った。
準々決勝で対戦した塩崎(愛媛)には、これまで一度も勝てていない。しかし、相手の技を封じながら積極的にタックルを仕掛けた。「今までの対戦で一番攻めることができた。力は出せた」。4強入りはならなかったが納得の表情を見せた。
大学に進んでも競技を続ける。「もっともっと強くなる」と一層の精進を誓い「来年の国体は成年で出場し、頂点に立ちたい」と頼もしい言葉で締めくくった。
【馬術】技術不足を反省
「正直もっとできたと思う」。成年女子馬場馬術で8位入賞の日高(徳島乗馬倶楽部)は、悔しい表情を見せた。昨年の愛媛国体でもコンビを組んだ「デューンK」の騎乗は半年ぶり。「馬は調教されてレベルアップしていた。自分の技術が追いついていなかった」とカーブでのミスなど反省が口をついた。
入賞を果たしたコンビに周囲は喜ぶが、本人は納得できない様子。再度コンビを組んで出場する5日の自由演技を見据え「成果を出して当たり前。次はもっと良くなる」。愛馬の潜在能力を引き出すため、自らにさらなるプレッシャーを掛けた。
【セーリング】コンビ15年 息ぴったり
「東京五輪を狙う若手が多く出場している中、8位に入れたことは大きな成果」。成年男子470級の奈良(大塚倉庫)・中野(徳島日産)組は、県勢として2009年の新潟国体以来となる同競技での入賞を果たし笑顔を見せた。
台風24号の接近で第1日が中止。3日間で6レースの予定が、2日間で5レースに短縮された。奈良は「大会ができるのか、実力は発揮できるのかと不安は大きかった」と振り返る。
しかしながらコンビを組んで15年。2人はレースになると息の合ったところを見せた。中野が「スタートのシーンを何度もイメージした」と話すように、最初のマークを上位で通過。課題のスタートを集中力で乗り切ることで、全国の強豪と互角に渡り合った。
社会人セーラーのため、練習時間は大会直前の数日だけだったという。ハンディを経験で補った2人は「この入賞は自信になる」と互いの健闘をたたえ合った。