日本生命保険の清水博社長(57)=鳴門市出身、城南高—京都大卒=が2日、顧客の訪問や営業所職員の激励のため来県し、徳島新聞のインタビューに応じた。生活習慣病を保障する保険など、ニーズの広がりに合わせて商品を拡充し、業界トップを維持していく姿勢を強調した。一問一答は次の通り。
—生保業界を取り巻く経営環境と課題をどう見ているか。
人口減少で長期的には厳しい。長引く低金利により、資産運用では国債だけでは予定利率を保障できないため、外国債に投資して維持している。ただ、長寿や女性の社会活躍、健康意識の高まりなどから、保険のニーズが広がり、安定的に成長している。
—業界トップから一時陥落したが、2015年に返り咲いた。
社長就任以来、「業界トップにこだわる」と言っている。トップとは保険料の数字だけでなく、何十年にわたり信頼を積み重ねるということ。お客さまへの訪問回数や営業職員数などあらゆる意味での業界トップを維持し、ニーズに合わせて商品ラインアップを広げていく。
—商品戦略は。
今年4月に生活習慣病を保障する新商品を発売した。問い合わせや成約も多く、とりわけ糖尿病死亡率の高い徳島での関心は高い。また、健康増進も生保会社の役割として、糖尿病リスクが高い人に対し、重症化しない予防プログラムの実証実験も始めた。徳島県ともタイアップして県職員に参加してもらう。うまくいけば保険の付加サービスや、有料での提供もあり得る。
—徳島の活性化をどう考えるか。
出身者として、葉っぱビジネスや県西部での訪日外国人旅行者増など、地域活性化の取り組みは純粋にうれしい。日本生命として、高水準の県民所得や貯蓄をどのように引き受け、県民に安定的な生活を提供できるのか、お手伝いをしたい。生活が安定すれば新しいことに取り組む可能性が高まるだろう。
しみず・ひろし 1983年日本生命。取締役専務執行役員などを経て、2018年4月から現職。