那賀町内でシカなどと自動車が衝突する事故が相次いでおり、県南部県民局は町内の国道など10カ所で「動物注意」の標識の設置を始めた。12日には同町仁宇の国道で啓発行事を行い、ドライバーに注意を呼び掛けた。
標識は黄色地にシカのイラストを描き、その下に「動物注意」と大きく書いている。今月末までに、鷲敷地区から木頭地区にかけての幹線道路沿いに順次設置する。県は同様の標識を美波町などで設置しているが、那賀町では初めて。
12日は、同町仁宇の県道沿いに1本設置した後、県や町職員、丹生谷交通安全協会鷲敷分会の会員ら約30人が近くの国道沿いで啓発行事を実施。シカの着ぐるみ姿の那賀署員らが「動物の飛び出しに気を付けて運転してください」と呼び掛け、チラシやジビエ(野生鳥獣肉)料理の「鹿サラミ」などを配った。
那賀署によると、那賀町内で動物との衝突による自動車事故は2014年以降、今月12日までに物損で18件の届け出がある。内訳はシカが16件、イノシシが1件、不明が1件となっている。ただ、同署は「ぶつかっても届け出ないケースが多く氷山の一角」としており、近年は幹線道路にシカが現れるケースも増えているという。