スギの丸太の断面。色の濃い心材部分の水分が多く、適切な乾燥が課題となっている=徳島市の徳島大総合科学部

 徳島大と県立農林水産総合技術支援センターなどが共同で、幹の太さが一定水準を超えたスギ大径材の乾燥技術の開発に取り組んでいる。水分を多く含むスギの製品化には乾燥が欠かせないが、強度不足になりがちで、耐久性を維持できる乾燥法を編み出す。

 大径材は丸太上部の切り口が、おおむね直径30センチ以上のものをいう。センターによると、県内では終戦直後に植林したスギの66%が2020年に伐採期を迎え、大径材が増加する見込み。

 ただ、幹が太いと加工しづらくなることから製材業者などの需要が低く、放置される恐れがある。このため、適切な乾燥技術を普及させ、大径材から付加価値の高い木材ができることを知ってもらい、製品化を促す。

 技術開発は、農林水産省の補助金を活用して16年度の1年間で取り組む。人工乾燥機を用い、強度を保つ温度や湿度を確かめる。スギにはシロアリや腐朽菌の害を防ぐ成分が含まれており、人工乾燥の過程でこの成分を減らさない方法も探る。

 スギ材は、断面の色が濃くなった心材部分の含水率が他の木材に比べて高い。十分乾燥させないと後で水分が抜けて寸法が変わってしまう。今は天然乾燥が主流だが、半年から1年置く必要があり、生産効率が悪い。一方、人工乾燥では内部にひび割れが出るなど劣化の恐れがある。

 徳島大の服部武文准教授は「スギ大径材の増加は林業の大きな問題。適切な乾燥を売りに国内外での販売を伸ばせるようにしていきたい」と話している。