2020年東京五輪・パラリンピックの運営を支える「大会ボランティア」の募集が始まった。

 大会組織委員会は8万人の目標を掲げ、東京都が募る「都市ボランティア」と合わせて、総勢11万人に上る。

 ボランティアは、大会の成否の鍵を握る重要な役割を担う。世界最大のスポーツの祭典に直接関われる機会であり、さまざまな国の人たちと触れ合う貴重な経験になるに違いない。

 徳島県内でも、参加したいと考えている人は少なくないのではないか。

 一方で、募集を巡っては「ブラックボランティア」「やりがい搾取」といった指摘が出ている。宿泊費を自分で負担しなければならないなど、条件が厳しいためだ。

 組織委は批判に耳を傾け、幅広い年齢、職業、立場の人たちが快く参加できるよう、環境整備や条件の緩和に取り組んでもらいたい。

 大会ボランティアは案内、競技、式典、移動サポートなど9分野に大別され、12月上旬まで応募を受け付ける。

 20年4月1日時点で18歳以上であることなどが応募の条件で、19年2月から説明会や面談を行い、10月からは研修などが始まる。

 厳しいとされる条件の一つが、1日8時間程度で10日以上を基本とする活動期間である。休憩や待機時間が含まれ、10日を下回る場合もあると組織委は説明するが、体力に不安がある人や長期休暇を取りにくい人にとっては、二の足を踏む要因となる。

 加えて、五輪が7月24日から8月9日まで、パラリンピックは8月25日から9月6日までと、猛暑が予想される中での活動である。

 暑さ対策に万全を期すのはもちろん、短時間・短期間での活動も可能にするといった柔軟さが求められる。

 学生らが主力と見込まれているが、宿泊先の自己手配や東京までの交通費、宿泊費の負担も高いハードルになっている。

 12年のロンドン大会や16年のリオデジャネイロ大会でも宿泊は自己手配だった。しかし、都内での宿泊は現状でも需給がひっ迫しており、大会期間中はさらに難しくなるのは必至だ。

 手軽に利用できる施設の確保や民泊の活用など、組織委は手だてを尽くさなければならない。

 組織委は先月になって、活動場所への交通費として1日当たり千円分のプリペイドカードの支給を決めたが、これに対しても額を巡って議論が起きた。

 根強い批判の背景には、大会予算が1兆3500億円の巨額に上る一方で、史上最多となる11万人もの規模が示されたことがある。

 ボランティアの経験は、お金に代えられない価値があるとはいえ、なぜこれほどの人員になるのか。組織委はしっかりと情報を発信し、明確に説明する必要がある。