徳島少年少女合唱団(上田収穂代表)の代表曲である無伴奏曲「平和への祈り-徳島ミサ」を、オーケストラ版に編曲し、とくしま記念オーケストラとの共演で披露する計画が進んでいる。同オーケストラで音楽監督を務める秋山和慶氏が発案したもので、来年7月に初演する予定。平和を祈る調べがより荘厳に響きそうだ。
今年7月8~10日に徳島県内で開催されたとくしま記念オーケストラ演奏会のために来県した秋山氏が、合唱団が6月に広島市の平和記念公園で「平和への祈り-徳島ミサ」を歌ったことを知り、オーケストラ版の制作を県や合唱団に提案。上田代表が快諾した。
今後、県を通じ、音楽家長山善洋氏にオーケストラ版への編曲を依頼する。上田代表は20日に飯泉嘉門知事を訪ね、「平和への祈り-徳島ミサ」のCDや楽譜を託した。
飯泉知事は「オバマ米大統領が初めて広島を訪れた歴史的機会に、徳島少年少女合唱団が当地で平和を願って歌い、世界的な指揮者に見いだされた。オーケストラ化で天使の歌声が新たな翼を持ち、多くの人にこの曲を知ってもらえたら」と述べた。
上田代表は「作曲者の隣で一音一音確認しながら完成し、長年にわたって歌い続けてきた『徳島ミサ』が認められ光栄。オーケストラの力を借りて明るく力強く、平和の大切さを訴えていきたい」と話した。
「平和への祈り-徳島ミサ」は、オーストリアの作曲家ツィーグラーが徳島の子どもたちのために書き下ろした、7曲で構成されるオリジナルミサ曲。不協和音が響き合う幻想的な調べで、2012年にバチカンで行われた東日本大震災復興祈願ミサや広島・平和記念公園など、国内外で歌ってきた。