オヤニラミの生息調査をする参加者=那賀町中山の中山川支流(井上さん提供)

 希少淡水魚・オヤニラミの保護に取り組む阿南市の住民グループ「オヤニラミの会」と那賀町中山地区の住民が、2010年から生息調査や成魚の放流を行っている同町中山の中山川支流で、初めて自然繁殖したとみられる稚魚を確認した。同川では水質悪化などで35年ほど前に姿を消しており、住民らは「繁殖が確認できてうれしい。昔のようにオヤニラミが普通に泳ぐ光景が復活してほしい」と喜んでいる。

 オヤニラミの会の谷崎憲佑代表(74)=阿南市新野町馬場=と住民、鷲敷小学校の児童ら約20人が17日、調査を行った。谷崎さんの指導でオヤニラミが好む川辺の茂みなどを網で探り、体長約8センチの成魚1匹と数ミリの稚魚2匹を発見した。

 オヤニラミはスズキ目ケツギョ科の淡水魚で、県のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定されている。県環境首都課によると、県内では中山川(那賀町)と桑野川、福井川、椿川(いずれも阿南市)が生息地だが、中山川は「長期間にわたり生息が確認されておらず、絶滅した可能性がある」と指摘されていた。

 オヤニラミの会などでは10年から中山川で調査を始め、人工繁殖させた成魚を11年に30匹、13年には5匹放流。以降の調査で成魚は確認されていたが、稚魚は見つかっていなかった。

 同町中山の井上肇さん(70)=中山公民館長=は「住民が川の清掃を続けてきたことが報われた。オヤニラミが繁殖できるきれいな川を子どもたちに残せるよう、今後も努力していきたい」。谷崎代表は「稚魚の発見は大きな成果だ。今後も調査を続けたい」と話した。