応援したい自治体に寄付すると、住民税などが控除され、返礼品が贈られる。そんなふるさと納税制度を、総務省が見直すことを決めた。

 過熱する返礼品競争に歯止めをかけるためで、返礼品は地場産品に限定し、調達費を寄付額の30%以下にするよう法制化。違反した自治体は制度から除外し、寄付しても税の優遇措置を受けられなくする方向だ。

 ふるさと納税は、大都市の税収を財源の乏しい地方に移し、地域を活性化させる目的で、国が2008年に創設した。制度の活用を自治体や住民に勧めてきたのは国だけに、法改正を伴う強硬策に出ることには違和感を覚える。

 確かに、返礼品競争が行き過ぎた側面はある。ハワイのホテル宿泊券や金券を贈ったり、地元産以外のブランド牛肉や海外製品を扱ったりする事例もあった。

 総務省によると、9月1日時点で返礼品の調達費が寄付額の30%を超えている自治体は全1788のうち246で、地場産品以外を贈っているのは190に上った。

 国からの再三の自粛要請に応じない自治体があり、不公平感を訴える声が高まっている現状からすれば、制度の見直しは避けられない。とはいえ、法的な規制までする必要があるのだろうか。

 総務省は「自粛要請では自発的な見直しが期待できない」と自治体側を非難するが、強引に寄付を集めるのは、それだけ財源に困っているからだ。そうした自治体の状況を考慮せずに法律で縛るやり方が、抜本的な解決につながるのか。むしろ、中央省庁の統制を強め、地方分権に逆行しかねない。

 規制の内容も十分に練っているようにはみえない。返礼品を寄付額の30%以下とする根拠ははっきりしないし、地場産品の定義も曖昧だ。

 牟岐町が返礼品としている鮮魚の切り身について、総務省は「地場産品ではない」として見直しを求めている。福井雅彦町長が「地元の企業が扱う商品を提供できないのはおかしい」と反発するのももっともだ。地域の事情を踏まえずに、一律に規制しようとする国の姿勢には疑問を感じざるを得ない。

 ふるさと納税は、知恵を絞って財源を確保しようという自治体の意欲をかき立て、地域振興に一定の役割を果たしてきた。

 寄付額は毎年増えており、17年度は総額3600億円を超え、県内では8億2623万円と08年度と比べ10倍に拡大した。阿波踊り体験や農家民宿での宿泊、空き家の草刈りなど、ユニークな返礼品が次々と登場。広報手段の乏しい自治体にとっては、地域に関心を持ってもらう手段にもなっている。

 法による規制が、地域のやる気や創意工夫をそぐようなことがあってはならない。国は自治体の声にもっと耳を傾け、地域の実情に合った制度に変えるべきだ。