県展第1期の展示作品に見入る来場者=徳島市のあわぎんホール

 第73回徳島県美術展(県民文化祭開催委員会、県美術家協会、徳島新聞社主催)が5日、徳島市のあわぎんホールで始まった。第1期展は10日まで。

 第1期は、全7部門のうち日本画、洋画、彫刻の入賞・入選作品192点と無審査作品32点の計224点を展示。日本画の第1席に当たる徳島新聞社長賞を受賞した久保守近さん(65)=徳島市南佐古七番町、水墨画講師=の作品「光の中に」は、陽光を浴びる巨岩を中心に、魚の群れやサンゴなど無数の生命が息づく海底の世界を水墨で丁寧に描いている。

 ほかに山村の情景を写実的に描いた洋画、時の流れを抽象的に表現した彫刻など個性的な作品が並び、来場者はじっくり観賞していた。

 四国放送社長賞の洋画「月夜」に見入っていた徳島市住吉6、早内陽子さん(70)は「アジの開きを取り上げたことに意外性を感じる。月光を感じさせる魚体の輝きも素晴らしい」と話した。

 第2期(写真、美術工芸、デザイン)は12~17日、第3期(書道)は19~24日。午前9時半から午後5時まで。入場料は一般・大学生800円、高校生300円、中学生以下無料。