姿が見えなくなっているコウノトリの雄(左)と雌=21日、鳴門市大麻町(浅野由美子さん提供)

姿が見えなくなっているコウノトリの雄(左)と雌=21日、鳴門市大麻町(浅野由美子さん提供)

 鳴門市大麻町に居着いている雌雄のコウノトリ2羽が巣の近くからいなくなっている。23日から2日間、目撃情報がなく、地元住民らが心配している。

 観察者や日本野鳥の会県支部によると、雄(5歳)が大麻町の巣の周辺で最後に確認されたのは22日昼ごろで、巣の近くの田んぼで餌をついばんでいた。雌(2歳)は23日朝に巣の上でいるのが確認されて以降、姿が見えなくなった。雌は24日朝、香川県三豊市の池でいるのが確認されたが、雄は目撃情報がない。

 2羽とも追跡調査用の発信器は付けていない。兵庫県豊岡市の市民団体・コウノトリ湿地ネットはホームページで2羽の飛来情報の提供を呼び掛けているが、25日午後3時半時点で情報はないという。

 雄は4月下旬に2日間、5月中旬にも5日間ほどいなくなったことがある。官民でつくる「コウノトリ定着推進連絡協議会」の担当者は「戻ってくる可能性は十分ある。情報収集しながら、状況を見守りたい」と話している。

 雄は2015年5月、雌は今年1月ごろから鳴門市に定着した。2羽は、雄とペアになっていた別の雌が徳島を離れた5月ごろから、巣の周辺で仲良く過ごす姿が目撃されていた。