国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に四国八十八カ所霊場と遍路道の登録を目指す四国4県などは8月8日、文化庁に国内暫定リスト入りを申請する。申請は2006、07年に続き3度目。高知、愛媛両県の遍路道が初めて国史跡に指定される見通しとなったことから、申請の環境が整ったと判断した。

 25日、産官学でつくる「『四国八十八カ所霊場と遍路道』世界遺産登録推進協議会」(事務局・香川県)の総会が高松市であり、報告された。

 世界遺産登録に向けては、07年の申請で文化庁から「文化財としての保護措置が不十分」と指摘され、各県で1カ所以上の遍路道の国史跡指定を目指していた。高知、愛媛両県の遍路道に関しては今年6月、国の文化審議会が指定するよう答申。4県で史跡がそろう見通しが立った。

 申請するのは4県と関係58市町村。提案書では、弘法大師信仰に基づく四国遍路は全長1400キロに及び、庶民が中心となって人々を救済し続けている点が、世界的に見ても独特で価値があると訴えている。

 8日には4県知事と協議会の千葉昭会長(四国経済連合会会長)、四国八十八ケ所霊場会の大林教善会長らが文化庁を訪問し、宮田亮平長官に提案書を提出する。20日現在で15万5312人分集まっている署名も添える。

 浜田恵造香川県知事は「四国が一丸となって取り組んできたことが実を結びつつある。さらに国に働き掛け、一日も早く世界遺産に登録されるよう念願する」と話した。

 国史跡の徳島県内の遍路道は8・59キロが指定されており、今秋には2・8キロが追加指定される見通し。

 国内暫定リストには、17日に世界文化遺産登録が決まった国立西洋美術館(東京)を除き、9件が記載されている。政府はこの中から年1件ずつを世界遺産委員会の登録審査に推薦。専門家でつくる国際記念物遺跡会議の現地調査などで認められれば世界遺産に登録される。