試験栽培で収穫期を迎えたアラゲキクラゲ=石井町の県立農林水産総合技術支援センター

 中華料理の具材として使われるキノコ・アラゲキクラゲの栽培普及に、徳島県立農林水産総合技術支援センターが2016年度から取り組んでいる。現在、国内で出回っているのはほとんどが中国産だが、安全性の高い国産需要が高まっているため。菌床シイタケと同じ栽培施設を利用できるメリットを生かし、シイタケの補完品目として生産者に推奨していく。

 センターは4月、石井町の研究用地に、アラゲキクラゲを試験栽培する簡易施設を設置。菌床シイタケとほぼ同じ方法で培養を始め、7月には収穫できるまでに生育した。

 今後3年かけ、栽培に適した温度条件や、菌床の素材となるおが粉の樹種、栄養剤の種類などを見極め、栽培マニュアルを作る。菌床シイタケの生産者を中心に配る計画だ。

 センターによると、県内で栽培されている食用キノコの99%はシイタケだが、夏場を中心に価格が下がるのが課題。このため、センターはシイタケの補完品目として、既存施設を活用でき、夏場の高温でも冷房なしで栽培可能なアラゲキクラゲに着目した。

 キクラゲ類の国内消費量は2014年度が2万4943トン。このうち中国を中心とする輸入品が2万3977トンを占める。しかし、06年度から07年度にかけて中国産に基準値を超えた残留農薬の検出が相次いだことから国産の生産量が伸びており、06年度の92トンに対し、14年度は966トンと10倍を超えた。

 国内では福島、鹿児島、熊本の3県が主な産地。徳島で栽培している生産者は2軒にとどまっている。

 担当する藤井良光主任研究員は「シイタケとの複合栽培が可能な新規キノコの栽培技術を確立し、生産者の所得の維持向上につなげたい」と話している。