第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」第8日は6日、福井県内で17競技が行われた。徳島県勢は10競技に出場し、カヌーの成年男子スラローム・カナディアンシングル25ゲートで谷口和也(青梅総合高教)が準優勝に輝いた。陸上の少年男子共通円盤投げで三田穂貴(生光学園高)が4位、ライフル射撃の成年女子エアライフル伏射40発で清水英恵(徳島大)が5位に入った。

 重量挙げ少年男子69キロ級では金谷武龍(徳島科技高)がスナッチ7位、ジャーク8位のダブル入賞を果たした。また、宮城県代表として出場した杉原大河(東北福祉大、生光学園高出)がゴルフ成年男子個人と団体で、福井県代表として出場の篠原章宏(福井県スポーツ協会、城西高―法大出)がライフル射撃成年男子エアライフル伏射60発で、それぞれ頂点に立った。第9日の7日は5競技に徳島県勢が出場する。
 

 【カヌー】僅差で優勝逃し無念

成年男子スラローム・カナディアンシングル25ゲートで2位に入った谷口=大野市九頭竜川特設カヌー会場


 強い風雨の中、スラローム・カナディアンシングル25ゲートで2連覇を狙った谷口(青梅総合高教)は、僅差での準優勝に「悔しい」と無念の思いを吐露した。台風25号の影響で日程が1日繰り上がったため、5日の15ゲートは不参加。それだけにこのレースに懸ける思いは強かった。

 レース1回目はコースを探る目的もあり、慎重にゲートをクリアしたものの、他の選手が伸び悩みトップに。2回目のスタート直前、ライバルの秋田県の選手がトップに立ったことを知り「攻めるしかない」と腹をくくった。直後、会場に設置された机をなぎ倒す強い突風が吹き、ゲートが大きく動いた。「よけながら操作したのでスピードに乗り切れなかった」。思わぬアクシデントにも必死に追い上げを見せたが、1秒26の差で逆転はならなかった。

 5日は勤務する東京の高校の体育祭を終えた後、午後10時に同僚が運転する車で出発し、会場に到着したのは午前5時半だった。初めてのコースをぶっつけ本番で迎えたが「よくあること」と意に介さず、力は出し切った。

 2020年東京五輪出場が当面の目標。教師の仕事を全うしながら世界を転戦し腕を磨く。「来年4月の日本代表選考会では必ず勝つ」。その表情には自信がみなぎっていた。


 【少年男子円盤投げ】 三田(生光学園高)4位

少年男子共通円盤投げで4位入賞した徳島の三田=9・98スタジアム


 持てる力は出し切った。少年男子共通円盤投げで4位に入った三田(生光学園高)は「2位だったインターハイの順位は維持したかった」と悔しさをにじませながらも「最近の練習通りの投げはできた」と淡々と振り返った。

 台風の影響もあって、円盤投げには悪条件の強い追い風が吹く中で行われた。三田は1投目に47メートル61をマーク。その後は48メートル付近まで投げた試技もあったが、わずかに右にそれてファウルとなった。この日一番大きな声とともに放たれた最終6投目も飛距離は出ず、記録を伸ばせなかった。

 昨年の愛媛国体は前日に足首をねんざし欠場した。今年もインターハイ後の練習で左脚に痛みを感じることがあっただけに「調子が良くない中でもきちんと出場でき、入賞できたことは良かった」と前向きに話す。

 高校最後となる大会は19~21日に行われるU20日本選手権(名古屋市)。「まだ1度しか投げていない50メートル台でインターハイ、国体に続く入賞を目指す」と闘志は衰えていない。


 【ライフル射撃】清水(徳島大)が5位

成年女子エアライフル伏射40発で5位に入った清水=福井県立ライフル射撃場


 成年女子エアライフル伏射40発で5位に入った清水(徳島大)は3度目の国体出場で初めての入賞。「目標にしていたので、実現できて良かった」と笑顔を見せた。

 前半20発はほぼ10点台と順調だったが、22発目から3発続けて9点台。「いったん銃を構え直したがしっくりこなかった。コーチや父親の助言を受けて修正できた」。気持ちをリセットして立て直すと再び10点台を連発し、得点を伸ばした。

 8月から国体に向けて伏射の練習を重ねてきた。「自分のリズムができ、撃つタイミングが分かってきた」と話すように9月の秋季全関西学生選手権では2位に入るなど力を付けた。

 それでも「まだ甘さがあり、貪欲さが足りない」と現状には満足していない様子。全国大会で優勝争いができる、もう一段階上を目指して成長を誓った。