完成したバイオマス発電所の前でテープカットする関係者=阿南市辰巳町

 繊維大手のクラボウ(大阪市)が、阿南市の辰巳工業団地にある同社徳島工場敷地内に建設していた木質バイオマス発電所が完成し、27日、同所で竣工式が行われた。県内にバイオマス発電所が建設されたのは初めて。燃料となる間伐材の木材チップは同市の企業から購入し、発電した電力は国内の電力会社に販売する。

 バイオマス発電設備はクラボウが開発した。高温に熱した砂により木材チップを短時間で完全焼却できる流動層焼却技術を使い、蒸気でタービンを回す。1日から稼働し、蒸気の一部は隣接する徳島工場で衣類の染色加工の熱源として利用している。

 発電規模は6220キロワット。年間発電量は約4千万キロワットで、一般家庭約1万1千世帯の年間電力使用量に相当する。電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づき、国内の電力会社に販売。年間十数億円の売電収入を見込む。

 燃料となるスギやヒノキの間伐材は、原木売買などを手掛ける徳信(阿南市)から1日当たり220トン、年間では6万6千~7万2千トンを購入する。同社によると、間伐材の大半は県内で調達する。

 発電所は徳島工場東側の遊休地約8500平方メートルで2015年1月に着工し、建設費は約33億円。17人の社員の一部は県内で採用した。

 竣工式には藤田晴哉社長や飯泉嘉門知事、同社社員ら約100人が出席し、発電所の完成を祝った。藤田社長は「環境負荷を低減させ、森林の保護と林業活性化の両面から、雇用創出や地域発展に貢献したい」と話した。