旧旅館を写真スタジオに改修する上野さん(右)。30日に撮影会を開く=三好市池田町マチの旧政海旅館

 県西部随一の老舗旅館として親しまれながら2008年に閉館した、三好市池田町マチの旧政海旅館の一部が改修され、写真スタジオとして活用されることになった。近くの写真家上野優子さん(38)が開く。30日に池田町中心部で開かれるイベント「うだつマルシェ」でお披露目し、撮影会を催す。

 2階部分の元結婚式場の部屋とその式場前の廊下の計50平方メートルを活用する。板張りの床と白い壁、古びた木枠の窓が落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 所有者から許可を得て改修し、廊下のカーペットを取り除いたり、板張りの床に自然塗料を塗ったりした。家族や子どもらを撮影する場として考えており、机や椅子など旅館内に残されたものも小道具として使う予定だ。

 30日は午前10時~午後5時、家族やきょうだい、友人らの写真を3千円で撮影する。8月からは随時、撮影予約を受け付ける。

 上野さんは15、16年のうだつマルシェで、式場を使った写真撮影イベントを実施。坪庭に面した窓から入る自然光の明るさや、独特の味わいを持つ窓枠や壁の雰囲気などを気に入ったことから、スタジオとしての活用を思い立った。

 上野さんは「有名だった旅館を撮影に使うことで、旅館の思い出がある世代と、旅館を知らない世代がつながる。地域の思い出と人のつながりを感じられる場所になればいい」と話している。

 政海旅館は1887(明治20)年に創業。木造2階建てで、昭和天皇も宿泊したことがあるが、施設の老朽化と利用客の低迷で閉館した。閉館後は、「うだつマルシェ」の会場の一つとして使われているほか、都内のITベンチャー企業など2社が旅館1階にサテライトオフィスを開設している。