企画展の準備を進める田井さん。安政地震時の宍喰浦地区の被害地図などが展示される=海陽町立博物館

 海陽町宍喰地区を襲った過去4回の巨大地震と津波について記した「震潮記(しんちょうき)」を紹介する企画展「海陽の防災意識をたどる~『震潮記』と南海地震・津波碑を題材に~」が31日から、同町立博物館で開かれる。昭和南海地震70年に合わせ、過去の震災の教訓に学ぼうと、所有者の田井晴代さん(82)=同町宍喰浦=が同館に呼び掛けて実現した。

 震潮記は、宍喰浦の大庄屋を務めた田井家の先祖・久左衛門(1802~74年)が永正(1512年)、慶長(1605年)、宝永(1707年)、安政(1854年)の4地震の被害や津波の教訓を書き残した古文書。田井さん方で1989年に発見され、全国の地震研究者にも知られる一級史料だ。田井さんが約7年かけて現代語訳し、2006年に解読本を自費出版した。

 企画展では記述の中から、特に津波の悲惨さを訴えている部分を抜粋し、原文や現代語訳を示す。「地は裂け、泥水がわき出て、老人や子どもは波に打ち倒れ、皆々流死した」(慶長地震)など、当時の被災状況がリアルに描写されている。普段は公開されることのない原本とともに、パネル約50点を展示する。

 震潮記には、安政地震で津波に遭った民家を記した宍喰浦地区の地図も含まれており、企画展では田井さんが手書きした模写を展示する。巨岩に地震・津波の教訓を刻んだ「慶長・宝永地震津波碑」など、町内にある7基の地震津波碑の写真と地図も紹介し、過去の大災害への理解を深めてもらう。

 8月11日午後1時半からは、田井さんの展示解説がある。歴史上、県南部を繰り返し襲った南海地震の語り部もしている田井さんは「生きていれば、みんな一度は巨大地震を経験する。先祖が残した記録を頼りに、地震が発生したら何が起きるのか、知っていてほしい」と話している。

 14日まで。月曜休館。