河野太郎消費者行政担当相は29日、消費者庁の移転先として検討している徳島県に、消費者施策を研究・立案するための新たな拠点を設ける考えを明らかにした。設置時期や具体的な業務内容については今後、徳島県や政府の「まち・ひと・しごと創生本部」と相談した上で決めるとし、拠点設置の関連予算を来年度予算の概算要求に盛り込む方針。

 「8月末までに結論を得ることを目指す」としていた消費者庁の移転について河野氏は、検討を続け、判断を3年後に先送りする考えを示した。

 河野氏は消費者庁の徳島移転に向け、4日から行ってきた試験業務を通じ「消費者教育などに熱心に取り組む徳島県を実証フィールドとすることに可能性を感じる。新しい消費者行政をつくっていく拠点としたい」と話した。

 新拠点の仮名称は「消費者行政新未来創造オフィス」。試験業務で使った県庁10階に置き、約40人規模の職員を常駐させる。不当勧誘行為の規制の在り方や消費者教育の推進などをテーマに研究し、効果があれば全国展開していく。国民生活センターで行っている研修や商品テストの一部も新拠点で行う。

 河野氏は「国会対応や危機管理など徳島では難しい業務があるし、関係省庁共用のテレビ会議システムもないので、今は全てのことはできない」と説明。その上で「まずは東京ではやっていない新しいことをやる場として徳島を使わせてもらう。3年程度をめどとしたい」と話した。