航空機がオーバーランした場合の被害を軽減するために設けられる滑走路端安全区域(RESA)の長さについて、徳島空港が国土交通省の定める基準を満たしていないことが29日、分かった。徳島空港は防衛省管理のため、同省は「基準の適用外で問題ない」としているが、国交省は「民間の旅客機が運航されている以上、安全面を考えると改善することが望ましい」としている。

 滑走路の端には、オーバーラン対策として60メートル以上の「過走帯」と呼ばれる区域があり、RESAはその外側に設けられる。

 徳島空港を運営する海上自衛隊徳島教育航空群によると、同空港のRESAは、東西に伸びる滑走路(2500メートル)の西側に330メートル、東側に47メートル設けられている。国交省が定めるRESAの基準は「90メートル以上」(滑走路が1200メートル以上の場合)で、東側が満たされていない。

 国交省のRESAの基準はかつて「40メートル以上」(同)だった。2001年、国際民間航空機関(ICAO)の基準改正に合わせて変更した。

 当初、既存の空港は適用外としていたが、ICAOの勧告を受け、13年に国交省管轄の89空港全てを対象にした。ただ改善には膨大な予算が必要なため、羽田や神戸など65空港が現在も基準を満たしていない。

 徳島空港について防衛省広報課は「防衛省管理の飛行場は航空法の適用除外となっており、国交省の基準は適用されない。飛行場などの設置・管理について定めた1958年の防衛庁訓令は、RESAを設ける規定になっておらず、問題があるとは考えていない」としている。