徳島県警が2016年上半期(1~6月)に把握した特殊詐欺67件のうち、金の振り込みを未然に防いだ件数は39件(阻止率58・2%)で、阻止件数、阻止率とも上半期としては最高だったことが県警のまとめで分かった。県警は、金融機関などによる客への声掛けが防止につながったとみている。
県警生活安全企画課によると、今の形で統計を取り始めた13年以降、上半期の阻止件数は13年13件(阻止率44・8%)、14年12件(40%)、15年23件(43・4%)。16年の件数は昨年に比べて約1・7倍に増えた。
阻止した機関の内訳は、地方銀行が27件、郵便局・ゆうちょ銀行4件、都市銀行、コンビニ各1件、その他6件だった。手口別では還付金詐欺が20件(前年同期比10件増)で最も多く、架空請求12件(7件増)、おれおれ詐欺2件(1件減)などが続いた。39件のうち70代以上の高齢者は28人。阻止した金額は3588万円だった。
県警は被害防止策として金融機関やコンビニなどに声掛けの協力を要請している。行員や店員が、携帯電話で話しながら現金自動預払機(ATM)を操作している人に気付いたら駆け付けて事情を聴くなどしていることが効果を上げているとみている。
同課は「不審な言動などに気を付けて地道に活動を続けてくれているおかげ。啓発を続け、被害が出ないようにしたい」としている。