つるぎ町半田の町立半田病院で30日、災害時における妊婦への対応方法を学ぶ「周産期等の女性にやさしい災害対策研修会」(県西部県民局主催)があった。妊婦に特化した研修会は県内で初めてで、県内の医療関係者約80人が専門家の講演や演習を通して支援の在り方を考えた。
国立保健医療科学院生涯健康研究部(埼玉県)の主任研究官で産婦人科医の吉田穂波さん(42)が「災害時に母児を守るため、私たちができること」と題して講演した。
吉田さんは全人口に占める妊産婦の割合は0・8%で、障害者や外国人より少ないことを示し「災害時要配慮者である認識がない地域がほとんど」と指摘。東日本大震災時には妊婦がどこにいるのか把握しづらかったことを紹介し、「平時から医療関係者や行政、防災士など幅広い人が連携し、災害時に早急な対応が取れるような体制づくりが必要」と訴えた。
大地震発生直後の避難所の運営方法を学ぶ演習もあり、妊婦や両親を失った児童といった弱者の部屋の配置や支援情報の周知方法などについて参加者が意見を出し合った。
徳島大学病院助産師の藤本和香さん(32)は「私も妊婦なので大変さが分かる。日頃から訓練を重ねて、いざというときに母子を助けられるようにしたい」と話していた。
熊本地震の被災地で支援活動を行った医師や看護師らの活動報告もあった。