島外移転が検討されている大島青松園=高松市庵治町

 徳島県出身の元ハンセン病患者が多く入所している高松市庵治町の国立療養所「大島青松園」の新盛英世園長が、園の島外移転を検討していることが3日分かった。入所者が減り、医師不足が深刻なことが理由。移転に難色を示している入所者が多く、実現には曲折がありそうだ。

 入所者は64人(1日時点)で、平均年齢は83歳を超える。うち徳島県出身者は11人を数え、配偶者を含めると17人の県関係者が暮らす。ピーク時に700人以上いた入所者は、高齢化に伴って10分の1以下に減った。

 現在の医師数は7人で、定員の9人を満たしていない。離島にあることが障壁となっており、船の運航経費も財政を圧迫しているという。こうした背景から、新盛園長は「高松市中心部に出た方がいい」と説いている。

 入所者自治会長の森和男さん(76)=鳴門市出身=は、2005、07年に実施したアンケートで、約7割の入所者が園での永住を希望したことを指摘し「外に行くのはやめようという話になっている。島には納骨堂があって亡くなった仲間にいつでも会えるし、ここでの暮らしに慣れている」と移転に否定的な考えを示した。

 県ハンセン病支援協会の十川勝幸会長(76)も「入所者の意向を十分くんでもらいたい。20人くらいに減れば移転もやむを得ないかもしれないが、それまではここで対応してほしい」と話した。

 厚生労働省国立ハンセン病療養所管理室は園から島外移転の要望を受けておらず、現時点では園長個人の考えとみられる。同室は「仮に職員から移転の要望が寄せられても、入所者が望んでいなければ進めることは難しい」としている。