蒸した米を広げて冷ます職人たち=徳島県三好市井川町の芳水酒造

 酒どころの徳島県三好市で新酒造りが始まった。酒蔵では職人たちが仕込み作業に取りかかり、蒸した米の香りが広がっている。

 清酒「芳水」で知られる芳水酒造(同市井川町辻)では、職人4人が酒の仕込みを始めた。蒸した県産米のキヌヒカリにこうじ菌を合わせたり、酵母を加えた酒母に蒸し米を入れたり。タンク内の温度が10~12度になるよう氷も加えて調節しながら慎重に作業を進めていた。

 この日仕込んだ新酒は、一升瓶で約2800本分。10月末に完成し、11月上旬には店頭に並ぶ。製造課主任の蔭山桂太さん(28)は「酒造りにはまだまだ気温が高い。泊まり込みで温度管理を続け、うまい酒に仕上げたい」と話した。

 三好市では他の酒蔵で「三芳菊」や「今小町」といた銘柄も造られており、来年春まで新酒造りが続く。