吉村農園インターナショナルが栽培しているサツマイモの若葉「すいおう」=鳴門市里浦町

 農産物の生産販売を手掛ける吉村農園インターナショナル(鳴門市)が、県内では珍しいサツマイモの食用若葉の栽培に取り組んでいる。昨年2月にスタートし、今では関東圏を中心に販路を広げ、2019年度にも香港への本格輸出を目指す。
 
 栽培しているのは、農研機構九州沖縄農業研究センターが健康に作用する機能性野菜として開発し、04年8月に種苗登録された「すいおう(翠王)」。血糖値や血圧の上昇抑制、抗酸化作用などの効果があるとされるポリフェノールやルテイン、ビタミン類などを豊富に含む。

 吉村農園は愛媛県の種苗会社から種芋を買い付け、0・5ヘクタールで露地栽培を始めた。1年目は、県内の一部スーパーマーケットをはじめ、関東の直売所や料理店格付け本「ミシュランガイド」の一つ星を獲得した京都の創作中華料理店などに計約30キロを出荷した。

 サツマイモの若葉を日常的に食べている台湾や香港など海外にも着目し、現地の食品見本市に出展。日本産への関心は高く、砂地で作ったシャキシャキとした食感が好評で、香港の百貨店2社と商談を進めている。

 2年目の今年2月からはハウス2棟(計0・5ヘクタール)で栽培しており、日本在住の台湾人料理人から、好まれる食感や栽培方法などについて指導を受け、温度や湿度、水分量の管理を徹底して品質向上に取り組んでいる。

 日本ではなじみが薄いことから、食べ方や効能の紹介などPRにも力を注ぐ。パウダーの商品化に向けた試作も行っており、米ニューヨークのバイヤーが視察に訪れるなど関心を示している。

 来年中に関東圏で20店舗への出荷を目指しているほか、香港の百貨店が条件としている農薬や化学肥料を使わない「有機JAS」規格を取得して、本格的に輸出する計画。増産に対応するため3棟目のハウス0・3ヘクタールを稼働させ、種芋も自社栽培し、質量ともに安定供給を図る。

 吉村浩明社長は「まずは効率的な栽培方法を確立し、国内、海外ともに販路を広げていきたい」と話した。