四国大短期大学部の学生が、野生のシカ肉を使ったジビエ料理のレシピ作りに取り組んでいる。農作物の食害対策として捕獲されるシカの肉を地域資源として有効活用し、消費拡大につなげる。年内にレシピ集をまとめ、来年1月に徳島市内で開かれるPRイベントで配る。
レシピ集を作っているのは、人間健康科食物栄養専攻の2年生4人。県の委託を受け、6月からアイデアを出し合っている。シカ肉のハンバークやふりかけなどが候補に挙がっており、10品ほどを提案する予定。
徳島市の弁当製造販売「さわ」と連携したレトルト食品の開発も進めている。これまでに同社品質保証部の細川敦子部長らを講師に招いた勉強会を開き、製造のこつを学んだ。
三好市東祖谷の食肉処理加工施設で、プロの料理人の指導を受けながらソーセージ作りを体験するなど、シカ肉の調理法についても研究を続けている。
年末までにレシピ集とレトルト食品1品を完成させ、来年1月25、26両日に徳島市内で開かれる「第5回日本ジビエサミット」(日本ジビエ振興協会主催)で発表する。
ソーセージ作りを体験した前川春菜さん(20)は「ひき肉のこね方やスパイスの分量の加減など、プロの技術は勉強になった。多くの人に食べてもらえるおいしい料理を提案したい」と話した。
県によると、昨年度の野生鳥獣による県内農作物被害額は1億1148万円と9年連続で1億円を上回っている。