海布丸太の皮むき間伐に取り組む藤田さん=那賀町長安

 那賀町長安の林業藤田眞寛さん(76)=元木頭森林組合長=が、日本建築の天井や軒先の化粧垂木などに使われる細い杉材「海布丸太」の生産を始めた。一般的な杉材より植林から伐採までの期間が短いのが利点。木の皮を剥いで立ち枯れさせてから伐採する「皮むき間伐」を組み合わせて作業の負担軽減も図り、高齢の林業家らが取り組みやすいモデルの構築を目指す。

 海布丸太は直径4~7センチで、海藻を干すさおとしても使われたことから「海布」の名称が付いたとの説がある。高級建材として京都府や和歌山県などで生産されている。

 幹が太くならないようにするため通常の3倍ほどに密集して植え、枝打ちを毎年行って節の無い杉材に仕上げる。一般的な杉材は植栽から伐採まで50~60年かかるが、海布丸太は10~20年で製品にできる。伐採や搬出の肉体的負担は小さい。

 一方で、木材価格の低迷や住宅事情の変化で需要は落ち込んでおり、木頭森林組合でも取り扱っていない。

 藤田さんは海布丸太の特長に着目。生産に挑戦するため、十数年前には所有する山林に約200本を植えた。伐採時期を迎え、7月中旬から初めて皮むき間伐に挑戦。12月ごろまで乾燥させて長さ3メートルに切りそろえて出荷する。

 藤田さんは、木材会社などに働き掛けて新規需要や販路の開拓にも取り組む考え。「高齢になった林業家が事業を続けるための選択肢の一つになれば。若手にも技術を残せるようノウハウを身に付けたい」と意気込んでいる。