阿南市の主婦でつくる人形劇団「プクプク」が結成して40年目を迎えた。年2回の定期公演をはじめ、市内の幼稚園や児童館、高齢者施設などで行った公演は約600回に及ぶ。ほのぼのとした温かい舞台が市民に親しまれている。
市の生涯学習の一環として、1977年6月に市内の主婦10人で発足した。現在は当初からの団員3人を含む58~82歳の12人が所属し、月2回、同市富岡町の富岡公民館で練習を行う。公演は、次第に評判となって地域からの依頼が増え、市内を中心に年間約20回をこなしている。
レパートリーは「こぶとりじいさん」「泣いた赤鬼」など、童話を中心に約20種類。脚本をはじめ、音楽やせりふを吹き込んだテープの用意、人形や背景の大道具の製作など全て自分たちでこなす。
1、2年に1度、全員で絵本などから題材を選び、新作に取り組む。人形などは練習の合間に布や木材を持ち寄って作ってきた。準備を始めてから公演までに1年以上かかった作品もあるという。
7月31日には、同市津乃峰町の塩竈神社の祭りに参加。子どもら約30人を前に、人間を化かそうとしては失敗ばかりしている子ダヌキの劇を披露した。大杖亜海ちゃん(6)=津乃峰保育所=は「タヌキがいたずらしてたら、最後にお父さんに怒られるのが面白かった」と喜んでいた。
劇団設立時から参加している山根喜久子代表(74)=阿南市福村町南筋=は「子どもたちが喜ぶ顔を見るのがうれしくて、気が付けば40年が経っていた。楽しみにしてくれる子どもたちがいる限り続けていきたい」と、さらに意欲をみせている。